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「ありがとう」
そのまま唯を抱いてフェンスを飛び降りる。
「キャッ!」
「で?」
「ぁ、裏行こう」
校舎裏………
俺達にとって始まりの場所。
「~♪」
上機嫌だな。
「なんか久しぶりだなぁ~」
「俺はたまに来るけどな」
「………?」
「忘れてるならいい」
花の世話だ。
唯のおかげで一度バレた。
「ここから始まったんだよね………」
唯は静かに目を閉じる。
「颯君………」
「ん?」
「ぇ、今私なんか言った?」
「俺の名前を呼んだ」
「うゎ……」
無意識だったらしい。
気にしないで。
と言われたが、気にすることでもないからな。
――ギュッ
いきなり手を握られた。
「エヘヘ」
「どうした?」
「ううん」
………?
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