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「わりぃ!待たせたな!」
さっきとは違い,純也の顔には笑みがあった。
「あ…うん。」
少し驚いた私は気の抜けた返事。
「はい!これかぶって,しっかり掴まれよ!」
そう言って丸いヘルメットを私に渡して,純也はバイクにまたがった。
私はヘルメットをかぶって,純也の後ろにまたがって,ギュッと腰に手を回した。
バイクに乗せて貰うのは初めてだった。
(うわ…恥ずかし…)
自分でも顔が赤くなったのがわかった。
純也のマンションから私の家まではバイクだと20分くらい。だから結構あっという間で…
「着いたよ。じゃあまた明日倉庫でな。」
私はさっきからずっと気になっていた電話の事をきいてみた。
「ねぇ…さっきの電話…彼女?」
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