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「…ぱい、せ…ぱ、い」
誰か呼ばれたきがした…
頭がぼーっとする。
なにやってたっけ?
ベットに入って物思いに耽ってたとこまでは覚えているのだが、その後はすっかり。
…もしかして寝てた?
寝坊けた頭でそこまで行き着くには、いくぶん時間がかかった。
考えたのはいいが、まだ眠い。誰かに呼ばれた気がしたが、それは夢なんだと自分のいいように解釈しもう一眠りしようとした。
…が、それにしても肌寒い。なにかいいものはないかと考えていると、その直後に肩に何か温かいものが触れた。
私はそれをグッと引き寄せ、抱きしめた。
「きゃっ!」
そんな声をはっきり聞いたが、夢なんだと考える。
温かい…
抱き寄せるとそれはとても温かくて、柔らかくて、心地よかった。それに鼻をくすぐる甘くクラッとなりそうな匂いがした。
腕のなかにすっぽり収まっているはずなのに、私の方が包み込まれている錯覚すら感じてしまうほどに。
私はその感覚を求め、さっきよりも強く抱き寄せた。
「んっ…」
かすれた声が聞こえたが気にしない。
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