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「ごめん、遅くなっちゃった」
待ち合わせの場所に行くと香織はもうついていたらしく鞄を持って立っていた。
自分的にはもう少しはやくくるつもりだったけど教室や廊下などですれ違う人すれ違う人に大丈夫ですか?とかはやく治して下さいね、など声をかけられ思った以上に足止めを食らってしまった。
「全然大丈夫です。自分も来たばっかですから」
香織はニコッとした笑顔でそう言ってくれた。
癒されるなぁ…と思っていたのだが私の隣でニヤニヤしてるバカが一名。
「愛…なーにニヤニヤしてるのかなぁ?」
「いやぁね、なんかデートの待ち合わせみたいだなぁ…なんて思ってさっ。ひゅーひゅー、お似合いですねぇお二人さん。」
「ばっ…!!」
いきなり変なことを言い出す愛に焦って、言い返そうとしたが思った以上に舌がまわらなかった。行き場のない思いをまぎらわすために香織のほうをチラッとみたのだが、逆効果だった。
香織は顔を俯かせ、恥ずかしそうに顔を赤らめていた。
それをみたら思わず自分もなんか恥ずかしくなって自然と視線が地面を見ていた。
「いやぁー二人とも反応が初々しいことで。見てるこっちも恥ずかしくなりますねぇ。」
「だったら言わないの!!」
いかにも楽しそうに話す愛にそう言った。
「照れちゃってぇ。あっ、はやく行かないとバイト送れちゃう!!とりあえず一秒でもはやく校門から出よう」
「私達は関係ないっての…」
楽しそうに、でもちょっと焦った様子で私達を急かす愛に思わず苦笑いして、ぼそっと呟いた。
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