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「あの…先輩?」
香織の呼びかけに軽くどこかに飛んでいた意識を手繰り寄せた。
自分をみると、さっきの雨に負けず劣らずべだべたに濡れていた。
「ほんとにすいません…」
泣きそうな顔をし、俯きながら必死に謝っている香織。
そいえば数時間前にもこんなことあったなぁ…と変なことを考えた。
私は香織の頭に手をおいてあやすようにポンポンとなででやる。
「全然気にしないでいいよ…大丈夫、香織は悪くない。」
「で、でもぉ…」
香織は既に潤み始めている瞳でそう言った。
うぅー、困ったなぁ。
と心の中で唸っていると、あることを思い付いた。
「そうだ香織!!」
「…はい?」
潤んだ瞳でまっすぐ自分をみられて少しばかり恥ずかしかったが、言葉を続ける。
「いっしょにお風呂はいろっか!!」
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