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ひらひらと桃色の花びらが舞う季節…。 小高い丘に咲き乱れる一本桜が短い生涯を懸命に生きている。 すぅと風と花びらが互いに重なりあい舞い、木の隣にある墓石の上に落ちる。 【龍神蒼史】 物語の始まりのきっかけとなった人物の名前がそこにはあり、汚れがないことから定期的に手入れがされているようだ。 サアァァァ 突風が吹き上がり木が大いに揺れ、小さな竜巻が起こる。 墓石の前にはあの時、不思議な能力を使った女がたっており、ブツブツと呪文を唱え始めた。 すると石が光はじめ辺りは見えなくなる。 おさまった頃…。そこには女と動物がいた。 「オメェ…。俺が猫嫌いを知っててわざとこの姿にしたな?」 少し不機嫌そうに…いや言葉を喋る青い毛に黄色い瞳の猫が人間のように足を広げ片手を後ろについて、女を睨み付ける。 「ふふ。とても可愛らしいですよ蒼史様。これは紅子[アカネ]様のご希望なので、文句があればあの方に…」 蒼史はいろいろと文句を付けて、女を罵声しているが猫などで一つ一つの動作が愛らしく見える。 謎ではあるが、なぜ数年前の人間が形は違うがここに存在するのか。今はこの二人しか知らない。
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