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「落ち着いてください社[ヤシロ]様!朔夜[サクヤ]お嬢様は大丈夫ですから!」
一方屋敷では着物をきた落ち着きがない龍神家の当主である。
社を必死に食らいつきながら落ち着かせようとしているのは、20代後半の顔の整った執事で
神楽秦[カグラシン]と名札が付けてある。
「うるさいわい!龍神家にやっと孫が出来たのじゃ。秦には孫が出来た時のこ、ここここ…」
「この嬉しさはわからないですか?」
「ケッコーー!!」
……何というかとても当主には思えないオチャラケ振りである。しかも、伸びた鼻毛が一本どさくさに髭に紛れてるし
そう思った秦である。
「……あのお馬鹿は放っておいて、朔夜はどうなのかしら?」
社の言いたい事をサラッといい、朔夜の容態を気にする方は当主の妻である
龍神沙乃[リュウジンサノ]
着物をピシッと着こなし50歳になっても、未だ失われない美貌はここで働くものの憧れでもある。
面倒見がよく【二人を除いては】皆から慕われている。
秦は姿勢を正し
「お帰りなさいませ奥様。出産は順調のようです」
沙乃は安心したようで、近くの机に移動し、正座をして秦にお茶はいかが?と促し、それに対し一礼し座敷に座る。
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