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横から衝撃をくらったのだろうか。横腹などがへこみとても直視できるものではなかった。
「お゛、オ゛マエダレダ!」
そう言った先には長い青い髪を後ろで結び、上半身裸、そして黒い刺繍が入った白い袴を着た男がいた。
「あぁん?俺か?龍神蒼史だが何か?」
蒼史と名乗った男は頬をポリポリと掻き面倒臭そうに悪魔に答えていた。
悪魔は仲間の仇をとりたいのだろう。眼が充血し、口からは唾液を流し怒りを露にしている。
しかし、ビリビリと蒼史から発せられる殺気は悪魔の怒りをも凌駕していた。
「俺なぁ…。あんまここで時間取りたくないんだわ。嬢さん?少し目を閉じててな!」
悪魔はふざけるなと言わんばかりに、蒼史に襲いかかってきた。
「夢幻流…発頚[ハッケイ]!!」
一瞬だった…。蒼史は目に見えぬ速さで間合いを詰め、片手に気を込めたものを一気に悪魔へぶつけ塵となった。
「塵逝くものに言葉なし…」
蒼史は消えていった悪魔に一言残し、女の元へ行く。破けてしまった服の上から布地を羽織わせた、お互い抱き合う。
二人は髪の色が違うことから関係が深いようだ。
「ラディスか…こりゃ久し振りに暴れられそうだな!」
これが後に世界を救う【四大神】の1人龍神蒼史である。
そして、物語のきっかけの始まりである。
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