第一章

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「ぐっ!なんだこれは?全く身動きが」 締め上げられた物を外そうとするが、なかなか取れない。 バサッ… そこへ、翼の羽ばたく音がし着地すると男の元へゆっくりと近づいてくる 体全体が漆黒で統一され、肌は薄黒く、眼の辺りは包帯で隠されおり、天使のように翼が背中にあるが、黒く禍々しくオーラを放っている 「貴様は誰だ!曹明様をどこへやった!」 苦しみながらも老人の安否を心配する。 その謎の人物は不適な笑みを浮かべ、男を自分の元へ引き寄せ男の頬を撫でる 「刹那様私を覚えていらっしゃらないのですか?あんなに尽くして来ましたのに…」 刹那と呼び、尚も撫でることは止めない女 刹那は全く覚えていない様子で、抵抗しようとするが生力が吸われる感覚になり徐々に力が抜けてくる 「ふっ…貴様など覚えていない!なんのつもりか知らないが…ぐぁぁ!!」 魔術のようなオーラを発し辺り一帯は電流が走る。 キシャー!! すると、刹那の背中から龍のオーラが出現し、苦しそうに奇声をあげる 「ふふ…先代様の源龍とそっくり、あぁ~ゾクゾクしてきますわ!」 女は身を奮わせ興奮しているようだ。 その間も刹那は電撃をあびせされ苦しんでいる 「くっ!俺は俺は…」 刹那はぶつぶつと呟き、苦しんでいた龍は落ち着き、女を一点に見つめる そして、刹那と龍の眼が赤々しく光り、辺り一体の魔術を欠き消す。 辺りは霧で充満し、女はびっくりすることもなく笑みを浮かべ一点を見つめる。 霧が少しづつ消え、そこには刹那の姿があり、体からは漆黒のオーラを纏い下を俯いている。
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