By way of Introduction

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     世界は欺瞞に満ちている。  虚構で支えられ、偽装に覆われている。  正義とは単なる理想論でしかない。  何を持って正義と見なすのか。それよりも、前提条件たる正義を定義するものが、この世界には存在しない。  大切な、自分にとってかけがえのない人を守りたい。これも正義とは一概には言い切れない。  何故ならそれは自分一人にのみ適用される理由。その人──多くの人を不幸にさせる──を守るために全世界を敵にまわしたとしても、それは果たして正義と言い切れるだろうか。  しかし、そう考えてみると、ある1つの──最も正義に近いものが浮かび上がる。  それは、大衆が正義と見なしたものが絶対の正であり、それ以外が悪である。  これが正義というもの。  もう一度言おう、正義など存在しない。大事なのは何のために自分は動くのか、だ。  彼はそれを理解していた。  だから彼は自分の信じたものを──正義をねじ曲げてでもやり遂げなければ、手を差し延べなければならなかった。  心から想う大切な人へ。  ANGEL・WAR 銀翼の彼女2th  Homelike serialization starts……
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