第43話 開戦、戦場は東京(後編)

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 東京攻略戦の本随の戦いが始まろうとしていた。  黒点はどんどん近づいてきて、目を凝らしてみると鳥の形に……鳥!? 「黒丞かっ!?」 『おうよ!』  ばっさばっさと羽ばたきながら、ホバリングするように黒丞は窓から滑り込んできた。体には痛々しい傷が何ヶ所かできている。 「く、黒丞……大丈夫か?」 『なんとかな』 「うわっ、黒丞がしゃべったー!」  冥さんは目を丸くして口元に手を当てた。そーいえば冥さんだけ黒丞が話せるってこと知らなかったっけ。 『んなもん今はどうでもいぃっ! 俺よりも、いったいどうなってやがるんだよこれぁ? いろんな所で軍が敗走してやがるぞ』 「わからないよ! こっちも情報がないんだから……天地隊長は大丈夫?」  僕が天地隊長と口にするなり黒丞の表情が強張った。これは良くない前兆だ。黒丞は翼で器用に僕の腕をつかむと、荒い呼吸で言った。 『心して聞け。突然倒れやがった』  ……はい? 今なんと? 『隊長さんが突然倒れたんだよっ! しかも最前線で』  天地隊長が倒れた? まさかそんなことあるわけ―― 「どういうことだ!?」
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