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東京攻略戦の本随の戦いが始まろうとしていた。
黒点はどんどん近づいてきて、目を凝らしてみると鳥の形に……鳥!?
「黒丞かっ!?」
『おうよ!』
ばっさばっさと羽ばたきながら、ホバリングするように黒丞は窓から滑り込んできた。体には痛々しい傷が何ヶ所かできている。
「く、黒丞……大丈夫か?」
『なんとかな』
「うわっ、黒丞がしゃべったー!」
冥さんは目を丸くして口元に手を当てた。そーいえば冥さんだけ黒丞が話せるってこと知らなかったっけ。
『んなもん今はどうでもいぃっ! 俺よりも、いったいどうなってやがるんだよこれぁ? いろんな所で軍が敗走してやがるぞ』
「わからないよ! こっちも情報がないんだから……天地隊長は大丈夫?」
僕が天地隊長と口にするなり黒丞の表情が強張った。これは良くない前兆だ。黒丞は翼で器用に僕の腕をつかむと、荒い呼吸で言った。
『心して聞け。突然倒れやがった』
……はい? 今なんと?
『隊長さんが突然倒れたんだよっ! しかも最前線で』
天地隊長が倒れた? まさかそんなことあるわけ――
「どういうことだ!?」
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