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シャルロッテはニコッと笑……ってほしかったが、いつも通りの無表情のままコクンと首を縦に振る。
スィエルと会わなければ、少数で行っても戦闘にならないから大丈夫だ。流れ弾とかに気をつければいいだけのこと。
「で、ですけどー」
なおも食い下がろうとする冥さんに、なんと説明しようかと考えを思い巡らせていたそのとき――
びくんっ。と、震えた。
何が震えたのかと訊かれても、世界が震えたとしか言いようのない不可思議な感覚。いや、不快感だろうか。
これを感じたのは僕だけではない。黒丞は顔をしかめ、冥さんは頭を押さえた。
「なんだ……今のは?」
喉がからからに渇ききり、唾液一つ流れ出てこない。周りの騒音が一瞬だけクリアになった。
『わ、わからねぇ……だが不快だな』
そう言う黒丞の姿が一瞬ブレた。
僕は目をこすると、再度黒丞を見るがブレは生じない。今のはいったい……。
ほろ暗い空間。
その空間を浸しているの重厚なまどろみ。
それを突き破るなり、天地隊長は目を覚ました。額や背中にはべっとりと汗が浮いている。
「ここは……」
周囲には瓦礫が散らばっている。
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