第43話 開戦、戦場は東京(後編)

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「第4小隊は約半数が戦死。第5小隊も2割の損害。第2小隊は自軍陣地まで撤退完了しましたが、後藤小隊長が重傷。第1第3小隊からは報告なし」  第4小隊はわかるが、あの後藤さんが重傷とは……第1第3小隊は無事なのだろうか。 「あと東部方面軍総監部からの最重要命令です」 「最重要命令?」 「はい。現戦線を維持しつつ全軍に退却命令が出たもようです」  退却だと!? 今退却されては天地隊長を助けられないじゃないか! クソッ……だったら始めから退却すればいいものを。  残された時間はあまりない。しかし動けない天地隊長を助けなければならない……。 「僕は行くよ」  ゆっくり振り向くと、冥さんを見た。どうやらすんなりと行かせてくれる気は毛頭ないらしい。冥さんは黒鐵と白鐵を抜き放って構えていた。 「絶対に行かせません!」  瞳には涙が浮かんでいた。 「大切な人が死ぬなんて嫌ですー! だから力ずくでも止め――っ!?」  つくづくダメだなぁと思ってしまう。ちょっとのことで赤面してしまう自分には、どうも向いていないみたいだ。 「頼む……行かせてくれ」  冥さんの耳元で懇願する。
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