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「んなもん第5小隊が頑張ってくれるさ。各員第1種戦闘準備っ! 生き残ったら春日一尉にたらふく奢ってもらえ!」
朝比奈……それは言い過ぎだ。隊員も盛り上がらないでくれ。つか全員奢るとか無理に等しいだろうが。
「これでも隊長には世話になったヤツらばっかりでな」
テキパキと動きだす第4小隊隊員を見ながら朝比奈がつぶやいた。どうやらうちの部隊はバカばかりなのらしい。それも聞き分けのいいバカばかり。
「わかった。ついてこい」
気づけばそう答えていた。
朝比奈や各員もうなずき――刹那、空気が震えた。空気どころか地面が音を立てて振動した。それは立っていられるのがやっとのほどである。
いったいなんだこれは? 地震か? でも何か違う……なんだろう?
「一尉、あれを見てください!」
隊員の1人が指さすその先には、天から地にかけて光が高くそびえ立っていた。
やがてその光は建物を破壊しつつ大きくなると、何事もなかったかのように呆気なく霧散した。
僕と朝比奈は互いに顔を見合うと、どちらからともなく頷いた。
妙に明るい空間だ。周囲に高い建造物がないからだろう。
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