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「むむぅ、それもあるかも」
「……どっちだよ」
松田の白々しい目線が痛い。この男……なかなかキツイ性格ですな。
「てかさぁ、なんで僕たちが呼び出しを受けたかわかるか?」
松田は肩をすくめ、多々良は先ほどの松田を超えるキツイ目線を向ける。
な、なんだ? キミたちは呼び出されたのが僕のせいだと言いたいのか?
「それ以外に考えられないもんで」
「どうせ隊長絡みなんじゃないんスか」
「他にもいろいろとあるだろうがっ! てか、なんで隊長が出てくんだ!?」
松田と多々良はお互いに顔を見合わせた。そして、同じタイミングで僕の顔を見て、同じようにため息をついた。
うむぅ、まるで僕が責められてるような雰囲気だなぁ。そんな僕を放っておいて、
「それじゃあ、一尉、入りますよ」
多々良がややへっぴり腰で司令部のドアをノックした。返ってきたのは入室を許可する声。
体が震えるのは身震いか、それとも恐怖でか。僕は高そうな両開きのドアを開けた。
「やあ、春日一尉、久しぶりだなぁ」
机や椅子が置かれたただっ広い部屋の中、書類に埋もれたデスクに1人の男が座っていた。てか、書類が柱みたいになってるんですけど……。
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