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大丈夫なのだろうか? あ、それよりも、
「春日一尉、松田三尉、多々良二曹ただいま到着しました──お久しぶりです、榎本師団長」
御歳50になる榎本師団長はどこか疲れたような笑みを見せた。
「うむ、1年半ぶりか……」
と、遠い目をしながら言った。
たぶん、それくらいになるんじゃないかな。だって最後に会ったのが異動命令だし。って、この人が僕の苦労の元凶じゃねぇかっ!
「懐かしい顔だな……って怒ってないか?」
「ははは、気のせいですよ」
師団長じゃなかったら全力で蹴り飛ばしてますけど。
「そうか……ならいいんだが。あ、早く済ましたいので簡単な説明でいいか?」
僕たち3人は首を縦に振る。
なんやかんやで楽観的に榎本師団長を見ていた。そんなとんでもない命令なんてされるわけないしね。クビとかもありえないし。
ゴホン、と榎本師団長が咳払いした。さすがに体が強張る。
「まず、春日一尉からだが……」
む、やっぱり階級順できたか。僕が身構えていると、榎本師団長は軽い調子でこう言った。
「春日一尉、本日をもって第13特殊遊撃戦隊の隊長補佐を解任する。1年半の任務、よく頑張ってくれた」
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