第3章

5/6
前へ
/105ページ
次へ
僕達は、近くにあった公園のベンチに並んで座った。 「世久さん、これどうぞ!」 隆司さんは僕にソフトクリームを差し出してくる。 「ありがとう…でも、隆司さんの分は?」 「俺の分はいいんです!さぁ、食べて下さい!」 うーん…なんか申し訳ないな… でも早く食べないと溶けてしまうから…遠慮がちにソフトクリームを舐めた。 「んー、おいしい!ありがとう、隆司さん」 「本当ですか?!良かった…」 隆司さんは、赤くなった頬を指でかいている… 「あ…アイス溶けちゃう!」 僕は、急いでソフトクリームを舐めるけど…反対側は間に合わない。 「隆司さんっ…手伝って!」 「え…いいんですかっ!?よっしゃ…!」 隆司さんは、幸せそうに反対側を舐める。 「うぉ…10割増しで旨い!」 やっぱり変な人だ… 「隆司さん…」 「何すか?」 「もしかして…僕を怖がらせない為にそんなキャラを演じてるとか?」 思い切って聞いてみると…隆司さんは固まった。 「もしかして…バレてました?」 やっぱり…キャラ隠し通そうとしてたんだね。そうじゃないかとは思ってたけど…
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4088人が本棚に入れています
本棚に追加