第4章

3/11
前へ
/105ページ
次へ
「世久さんっ!ご無沙汰してます!」 渡り廊下を歩いていたら、腕に刺青をしたゴツい男が土下座してきた。 おじいちゃんを尊敬する人達も居着いているから、こういう人は何人もいる。 「もう…土下座なんてしないでよー」 「しかしっ!ボスのお孫さんに…」 「いいの!気にしない♪それよりも、おじいちゃんどこ?」 「はいぃ!ご案内しますっ」 僕は隆司さんの手を引いて、男に付いていく。 「なぁ…世久って、実は凄いヤツなのか?」 「んー…別にぃ?」 なぜか隆司さんは首を傾げている。 と、 「世久ー!!!会いたかったよー♪」 向こうからダッシュしてきたのは、いとこの健(ケン)。 同い年で、僕にゾッコンだ。 健の髪型はリーゼントで、やっぱり不良。 「健、久しぶりだねー」 「俺、世久が来るって聞いたから来たんだぜ!やっぱり可愛い/// つーか、そいつ誰?」 健は、隆司さんをガン見している。 「えっとね、僕の恋人の隆司さんだよ」 「こっ…恋人…」 健は、青ざめた。 「世久さん!こちらですよ」 さっきの男に促され、僕は健を無視して部屋に入った。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4088人が本棚に入れています
本棚に追加