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「世久さんっ!ご無沙汰してます!」
渡り廊下を歩いていたら、腕に刺青をしたゴツい男が土下座してきた。
おじいちゃんを尊敬する人達も居着いているから、こういう人は何人もいる。
「もう…土下座なんてしないでよー」
「しかしっ!ボスのお孫さんに…」
「いいの!気にしない♪それよりも、おじいちゃんどこ?」
「はいぃ!ご案内しますっ」
僕は隆司さんの手を引いて、男に付いていく。
「なぁ…世久って、実は凄いヤツなのか?」
「んー…別にぃ?」
なぜか隆司さんは首を傾げている。
と、
「世久ー!!!会いたかったよー♪」
向こうからダッシュしてきたのは、いとこの健(ケン)。
同い年で、僕にゾッコンだ。
健の髪型はリーゼントで、やっぱり不良。
「健、久しぶりだねー」
「俺、世久が来るって聞いたから来たんだぜ!やっぱり可愛い///
つーか、そいつ誰?」
健は、隆司さんをガン見している。
「えっとね、僕の恋人の隆司さんだよ」
「こっ…恋人…」
健は、青ざめた。
「世久さん!こちらですよ」
さっきの男に促され、僕は健を無視して部屋に入った。
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