第4章

4/11
前へ
/105ページ
次へ
部屋に入ると、机を囲むように人が座っていた。 真ん中におじいちゃんがいて、隅に親戚やお弟子さんが座っている。 「おじいちゃん♪」 僕は、おじいちゃんに飛び付いた。 「おぉ…久し振りだな、世久!」 優しく頭を撫でてくれる。 「今日はね、僕の恋人連れて来たんだよ?」 「ほぅ…そこの方かな?」 隆司さんは、ピシッと気をつけをした。 「はっ、初めまして…後藤隆司と申します…」 「私は、世久の祖父だ。まぁ、好きに呼んでくれ」 おじいちゃんは、ただならぬオーラを発している… 「おじいちゃん…優しくしてあげてね?あと、強くなれるように鍛えてあげて?」 僕は、おじいちゃんに耳打ちする。 「そうか…隆司くんはそのために来たのか。座りなさい」 僕は隆司さんとおじいちゃんの前の席に座る。 すると、親戚のおばさんが 「お茶でも召し上がれ」 と、湯呑みを置いてくれる。 「おばさん、ありがとう」 「いいえ…世久さんに出来ることはこれ位しかありませんし」 そして、僕がお茶を飲んでいると、誰かが後ろから抱き付いてきた。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4088人が本棚に入れています
本棚に追加