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悠ちゃんに遊ばれていると、後ろで障子が開く音がする。
「世久!俺がぼーっとしている間にどっか行くな!」
健が入ってくる。
「健が勝手にぼーっとしてたんじゃん」
僕は、適当に受け流す。
「世久、ひでぇ…つーかっ!悠、ずるいぞ!!」
僕の膝に乗った悠ちゃんに嫉妬する健。
「…世久は、ボクのだもん」
そして、悠ちゃんは僕の耳に『ふぅっ』と息を吹き掛けてくる。
「ゃんっ…悠ちゃ…ん」
僕は、甘い声を出してしまった…
「かわいい、かわいい」
悠ちゃんに再び頭を撫でられる。
「うぅ…悠は、永遠のライバルだ…まずは、お前から潰す!!」
健は、隆司さんを指差して宣言する。
「お…俺?」
隆司さんは、悠ちゃんに弄ばれる僕を見て呆然としていた。間抜けな返事をする。
「正々堂々勝負だからな!!じいちゃん、審判頼むぞ!」
健は張り切りながら部屋を出ていく。
僕は悠ちゃんを制しながら隆司さんに
「隆司さん…僕のために頑張ってくれる?」
「お…おう!頑張るぜ!」
「えへ…ありがとう」
健は意外と強いから、隆司さんの力量調べにはいいと思う。たぶん…
おじいちゃんの特訓は、その後だ。
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