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隆司さんと健は、殴り合いの決闘をすることになった。
中庭に立つ2人を、僕はおじいちゃんの膝の上で眺める。
「隆司さーん!頑張ってね!!」
隆司さんのやる気が出るように応援してみた。
でも、逆効果だったみたいで…隆司さんはデレデレしてしまった。
「…はい、始めー」
おじいちゃんの適当な掛け声を合図に2人は身構えた。
先手は…隆司さんだった。
健の顔に拳を打ち込む。
が、健も負けじと連続で隆司さんにパンチした。
よろけた隆司さんの腹を、健は力強く蹴り上げる…
「がっ!!」
隆司さんは、倒れてしまった…
…弱いなぁ。
「おい…こんなザコが世久の恋人だなんて嘘だろ?
日本一可愛い世久を守れるのか?」
健が隆司さんの頭を踏みながら言う。
「う…」
隆司さんの口には血が滲んでいた。
もうダメかな…と思っていると、
「世久は…俺が守る…」
隆司さんが立ち上がった…
「上等じゃねぇか…世久は俺の物だ!」
健は、ふらつく隆司さんを殴ろうとする、が…
その瞬間隆司さんが健の顎を突き上げたので、健は気絶してしまった。
「おじいちゃん、隆司さんの勝ちだね!
隆司さーん、大好きだよ!」
隆司さんは、照れながら近付いてくる。
「世久…」
「隆司さん♪」
僕は、隆司さんに抱き付いた。
さぁ次はおじいちゃんと特訓、だね…。
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