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武道室に着くと、ちょうど隆司さんとおじいちゃんが出てきた。
「隆司さーん♪」
僕が抱き付くと、優しく頭を撫でてくれた。
見上げると…隆司さんの顔は傷だらけ…
「世久…お前のおじいちゃん、良い人だな!俺、感動した!」
感動って…
そして隆司さんは僕を腕に抱いたまま、おじいちゃんに深々と礼をする。
「ありがとうございましたっ!
俺、もっと強くなりたいです!
またお願いします、師匠!!」
「師匠か…まぁ、世久の恋人だというのなら、いつでも来い」
おじいちゃんは、さっきよりも表情が穏やかだ。
隆司さん、強くなれたかな。とりあえず安心しても良いよね。
そして隆司さんを連れて渡り廊下を歩いていると…
健と悠ちゃんが現われた。
「世久ー!俺、一体何したっていうんだよ…悠は何聞いても笑うだけだし!」
「健がばかだから悪い」
ケラケラ笑う悠ちゃんに、闘志を燃やす健。
「まぁ…反省してなよ、健。
じゃあね、悠ちゃん」
「ちょっ…待ってくれよ!世久ー!!」
「ばいばい、世久ー」
叫ぶ健と、穏やかに手を振る悠ちゃん。
僕はそんな2人に手を振った。
…そして色々と複雑な思い出を残しつつ、僕達はおじいちゃんの家を後にした。
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