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1人残ったのは、金髪の髪を固めてアクセサリーをじゃらじゃら付けた派手な少年。
きっとまだ高校生だろう。
この人…僕をじろじろ見ている。
「世久!大丈夫か?」
お父さんは慌てて駆け寄って僕を抱き起こしてくれた。
「うん。ファーストキス奪われたけど…怪我は無いよ」
「なっ…世久に何て事を…後で全員潰してやる…」
お父さんはとんでもなくブラックな事を呟き始めた。
「…ちょっと良いっすか?」
ん?
あの金髪男が話しかけてきた…
「あぁ?なんだお前!」
お父さんはずんずんと近付いて行く。
すると、その人は綺麗に腰を曲げてお辞儀をした…
「そこの子…貴方の息子さんですよね?
俺に下さいっ!」
………え?僕?!
「オメェに世久を渡せるか!
…世久、もう遅いから帰ろうか」
姿勢を正したまま呆然とするその人を残して、僕はお父さんに連れて行かれた。
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