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現在十時前、確認しなくても完全に遅刻だ。初日から遅刻とか俺どんだけーっちゅう話だよ。
まぁいいけど。対面式?忘れてたから仕方ない。とりあえず俺は校舎の中に入った。
「ん?ちょっと君」
俺は下駄箱の近くにいた先生に話かけられた。
「遅刻か?遅刻なら先に連絡を入れなさい」
「はーい」
「……今日は先生がなんとか言ってあげるから、今度からは気を付けてなさい」
俺は内履きに履き替え、その先生について行った。
「君のクラスは?」
「1Cっス」
俺は曖昧な返事で質問に答えた。
「1Cはここ、今は休憩時間だから先生が来たら必ず「遅刻しました」と言うんだよ」
「はい」
優しい先生で良かったよ。
俺は教室の扉を開けた。開けると同時にざわついていた教室は静まり返り、俺に視線が集中した。
視線がうぜぇな。そんなにコレが珍しいか?
おそらく皆が見ているのは俺の髪の毛だろう。
なぜなら俺の髪の毛は白髪だからだ。目立つのも無理はない。
それにこの白髪は人間兵器である証拠になるからやっかいだ。
ほーら皆俺を避けてやがる。
「ねぇ……あの人噂の……」
「人間兵器……だな」
「なんで進学なんかしてんのよ……」
周りからはひそひそ話がごく普通に聞こえる。
まぁ……中学ん時よりはマシか。
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