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「俺は貪欲で…自分を綺麗に保つ事なんか出来ない…いつまでも自分の欠落した部分を、隠し通せるわけでもない。
俺にはそんな芸当出来ない…感情が先立って、つい…言ってしまっただけだ。
それだけ、だ…それで俺達の関係は終わった。
強いと思っていた絆は、こんなにも脆いものだったんだ…」
皐月が今にも壊れてしまうのではないかと思わせるぐらい、切なく微笑んだ。
脆いガラス細工の様で、硬い水晶の様で……
俺はそんな皐月は嫌いだ…。
見たくない…
俺は皐月が心から笑ってる笑顔が好きだ。
皐月をフッた美咲さんに、少しだけ…ほんの少しだけ苛立ちを覚えた。
俺じゃない他の誰かに皐月を壊されるのは嫌だ!
ふと芽生えた感情…
それは不確かで、不思議で、わからなくて…
鈍い感情。
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