第零話―プロローグ―

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着いてすぐに入学式が始まった。最初の開式に始まり、今は校長の話になっている。 「ぁー君達は高校生になったという自覚を持ち、毎日の努力や鍛練を忘れずに精進し…――――」 長い!!!ふざけるな校長!ちょっとは生徒のことを考えて短く話しやがれ! 見た目は真面目に話を聞いているように見えるが実際は物凄く苛々している。 隣を見るともはや聞く気も無い様子の皐月と藍華が話をしている 「なぁ皐月…あの校長いつもあんな感じなのか?」 「かな?長い時は30分近く話す時もあるし」 「はぁ……めんどうだ…」 俺はまたため息をついた 「多分如月くんは入学式が終わってからが大変かなぁ…」 なんだか意味深な言葉だな…… 「おぃ、それってどういう意…――――」 「起立!礼!」 俺の言葉は司会の先生によって遮られた 「それでは今日は解散します。それと高校から新しく入った生徒はここに残っていて下さい」 その言葉と同時に大量の1年はばらばらになった。 「それじゃ頑張って~!」 藍華のそんな言葉を聞くと、二人は人込みの中に入って行った。 「お…おぃ!」 俺の声は二人には聞こえなかったのか、返事も無く人だらけの中にこだまし 「ったく…」 仕方なく俺は椅子に座ったまま講堂に人が居なくなるのを待った。
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