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“炎が荒れ狂い、全てを焼き尽くして行く”
強烈な頭痛が頭に響く。
俺は思わず一歩下がる。
なんだ今のは・・・・・・?
“逃げ惑う人々。そして当たりを骸が埋めつくし、屍の大地を作り出している”
「ぐあぁっ!?」
更に強烈な頭痛が頭を割ろうと言わんばかりに襲いかかってくる。
「どうやら覚醒が近い様だな・・・・・・」
男の言葉に先輩が頷く。
「出来る事なら、私が戻ってこれれば良いけど・・・・・・」
風のように自由で、何者にも束縛できない声。
そして、何度と無く憧れた声・・・・・・
「ただ、自分だけは見失わないで・・・・・・」
俺の意識はかすれ、虚ろになって行く。
地面に膝をつき、なんとか顔だけは相手を向く。
「時間だ。」
気付くと夜になっており、綺麗な満月だった。
満月が公園の噴水の真上にさしかかった時、全てを光が包み込んだ。
気付くと俺は公園で大の字になって寝転んでいた。
「・・・・・・なんで・・・だ?」
いまいち記憶があやふやだった。
如何にか憶えているのは・・・・・・
「先輩が・・・何処かに行くって事か・・・・・・」
何かやりきれなかった。
だが何時までもこんな所で寝ているわけには行かなかった。
「帰らないとな・・・・・・」
力の入らない身体を無理やり立たせて、俺は帰路に付いた。
ただ、その時から不思議な感覚が俺の中に芽生えていた。
次の日から、蓮華先輩は学校に来なくなった。
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