プロローグ

3/13
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「起きなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」 叫び声と共に俺の布団が力任せに奪い取られる。 「のわっ!?」 布団にしがみ付いていた俺はベッドから落ち、床とキスをする事になってしまった。 いてぇ・・・・・・ 「くそぉ・・・・・・何しやがるんだ桜香!!」 俺が見上げると高校の制服に身を包んだショートカットの少女が立っていた。 「何いってんのよ!?せっかく私が遅刻したら可哀相だなぁ~って親切に思って起こしに来て上げたのに、その言い方は無いでしょ!! 「起こし方ってものがあるだろうが!!」 この漫画やどっかの恋愛ゲーム宜しく俺を起こしに来たのは幼馴染で腐れ縁。榊原桜香である。 そんな話しみたいに優しく起こしてほしいもんだぜ・・・・・・ あれ・・・なんか桜香の目になんか光ってる物があるような・・・・・・ 「ほら光輝。その顔何とかしなさいよ。」 「ん・・・・・・?」 俺は桜香の指摘を受け、思わず鏡を覗き込む。 髪はボサボサで、寝癖がピンピン跳ねている。 その内幾つかは額に汗で張り付いている。 それどころか目には目脂が付いており、服は汗でびしょびしょだった。 「ひっでぇ・・・・・・」 俺は他人事の様に頭をかいた。 「まだ時間に余裕があるから、お風呂入って来なさいよ。」 「おう・・・そうさせてもらうわ。」 桜香の言葉に機械的に頷き、俺はそのまま風呂場へと向った。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!