5人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「起きなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」
叫び声と共に俺の布団が力任せに奪い取られる。
「のわっ!?」
布団にしがみ付いていた俺はベッドから落ち、床とキスをする事になってしまった。
いてぇ・・・・・・
「くそぉ・・・・・・何しやがるんだ桜香!!」
俺が見上げると高校の制服に身を包んだショートカットの少女が立っていた。
「何いってんのよ!?せっかく私が遅刻したら可哀相だなぁ~って親切に思って起こしに来て上げたのに、その言い方は無いでしょ!!
「起こし方ってものがあるだろうが!!」
この漫画やどっかの恋愛ゲーム宜しく俺を起こしに来たのは幼馴染で腐れ縁。榊原桜香である。
そんな話しみたいに優しく起こしてほしいもんだぜ・・・・・・
あれ・・・なんか桜香の目になんか光ってる物があるような・・・・・・
「ほら光輝。その顔何とかしなさいよ。」
「ん・・・・・・?」
俺は桜香の指摘を受け、思わず鏡を覗き込む。
髪はボサボサで、寝癖がピンピン跳ねている。
その内幾つかは額に汗で張り付いている。
それどころか目には目脂が付いており、服は汗でびしょびしょだった。
「ひっでぇ・・・・・・」
俺は他人事の様に頭をかいた。
「まだ時間に余裕があるから、お風呂入って来なさいよ。」
「おう・・・そうさせてもらうわ。」
桜香の言葉に機械的に頷き、俺はそのまま風呂場へと向った。
最初のコメントを投稿しよう!