第一章 失踪ーそして腕輪

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第一章 失踪ーそして腕輪

蓮華先輩が学校に来なくなって約一周間が経った。 蓮華先輩の突然の失踪に先生や生徒達が慌てふためいた。 ただの成績の低い生徒や不良生徒などが居なくなっても誰も何も言わない。 だがこれが成績優秀スポーツ万能ルックス良しとそろいにそろい、さらに授業態度に生活態度、全てにおいて優等生だったのだ。 さらにけして力をひけらかす事もなく、人に良い所を譲ったりもした為に生徒達からの信頼も厚く、人気もあった。 その為にこの学校始まって以来の大騒動となったのだ。 そしてそれほどの大騒動になればいらぬ噂もたってくる。 家出したとか、事故に遭ったとか、誰かに誘拐されたとか、事件に巻き込まれてしまったなどの噂ならいい。 だが俺は蓮華先輩を良く思っていない女子が広めている噂だけは許せなかった。 それは...... 俺が考え事をしていると、教室のすみで不良女子連中が集まって話しをしている。 「どうせどっかの男にでも付いて行っちゃたんでしょぉ~。良い子ちゃんぶってる奴なんて、どうせそんなもんよねぇ~。」 その話しの内容に、俺は耐えられなかった。 「先輩がそんな事する訳ないだろうが!!」 我知らず叫んだその言葉に、喧騒に包まれていたクラスが静寂に包まれる。 「な、なによ......どうせそれが本当なんでしょ......ひっ!?」 俺が睨み付けると悲鳴をあげて慌てて口を閉じた。 如何やらものすごい形相だったらしい。 「な、なんや光輝......今日はホンマ恐い顔してるやないか......洒落にならんぐらい恐いでホンマ......」 あの勇一が冷や汗をたらし、俺に話しかけてくる。 桜香は心配そうな顔で自分の席から俺を見ていた。
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