第二章 出会い

8/15

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
決して上手とはいえない変なフォームだが、それでも楽しそうに一生懸命ボールを追っかけてる夏実に少し見惚れていた。「あっ!矢内く~ん(笑)」夏実が俺の姿を見付けてこっちへ走ってきた。「やっぱり来てくれたんだぁ待ってたよ(笑)」夕日があたり、夏実の笑顔が眩しく見えた。俺は夏実に手を引かれたままテニスコートに入った。すると夏実軍団が一気に集まってきた。口々に勝手に自己紹介をはじめた。「理菜です。下手だけどヨロシクね(笑)」「祥子です。お手柔らかにお願いしま~す」「哲也です。ヨロシク!!」(握手かよ!)そしてあの夜見た背の高い男が目の前に立った。「拓也っつーんで、ヨロシク」愛想のねー奴だと思いながらも握手を交した。俺は腹をくくり話をはじめた。「矢内春樹です....ヨロシク」みんなは拍手した。今まで生きてきて、こんなに歓迎された事は無かったので少し照れ臭かった。こうして俺は半強引にテニスサークルに入る事になったんだ。これが、夏実と、大切な仲間との出会いだった。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加