第二章 出会い

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俺はそのまま寝てしまった。携帯電話の音で目覚めた。「はい」「あっ矢内君?!何やってんの?!講義はじまるよ?!」夏実だった。一気に眠気が覚めたが、意外にも冷静だった。(そういや昨日飲んでる時にみんなと電話番号交換したんだよな)大学に入ってはじめてだった。なんて思いながら「今日はいいよ。今から行っても間に合わないし」冷静に返した。するととんでもない声が聞こえた「何言ってるの?!練習もあるんだから絶対来て!!」電話が切れた。俺はびっくりしたものの、素直に支度をしていた。今から行けばニ限には間に合うよな。急いで電車に乗った。電車で30分位のところに大学はある。乗り換えも無いし楽だから。そんな理由でこの大学を選んだんだ。将来の事なんかわかんない。俺には父親は物心ついた時から居なかった。兄弟も。母親は体が悪い為祖母の家で生活していたから家には一人で住んでる。あっという間に大学の駅に着いた。バスに乗って10分。バスから降りた時、「遅い!!」顔を膨らまして夏実が立っていた「あっごめん」(何でこいつに謝らなきゃいけないんだ)「それより講義は!?」「出てきちゃったぁ(笑)」と笑う夏実を見てまた胸が苦しくなった。
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