第二章 出会い

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気が付くともう講義は終わっていた。教室を出ると夏実が声をかけてきた。「春樹君!」ん?!(今春樹って呼んだよな)俺は「お疲れ~」とだけ言って歩いて行った。(なんで避けてんだよ。これじゃバレバレじゃねーか)と思ったが振り返るのも情けなくなって歩き続けた。後ろから夏実は追ってきた。「今日は日替わり定食ハンバーグだよぉ(笑)私大好きなんだぁ。早くいこっ」と無邪気に笑う夏実に胸が締め付けられた。「あー拓也達は?」と言った時夏実は一瞬ビクッとして「なんで?」と答えた。俺が聞いてはいけない事を聞いてしまったかの様に弁解した。「いや、いつものみんなであの....」こうゆう時スラスラ言葉が出て来る奴が羨ましかった。でも夏実はそんな俺を気遣ったのか「食堂にみんな居るよ(笑)」と笑った。日に日にみんなとも自然に話せるようになった俺は、入学当初こんな軍団の一員と思われたくないと思ってたのにいつの間にかすっかり軍団の一員になっていた。なんとなく気を遣わなくてもいいこいつらは一緒に居て気が楽だったんだ。たわいもない話をしながら飯を食ってる最中俺は気が付いてしまった。
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