第二章 出会い

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案の定廊下中の視線が俺に注がれた。こいつとかかわるとろくな事がない。さっきの講義といい、今といい、かかわりたくないと思った。すると夏実はまた満面の笑みで「20円足りな~い(笑)」もう限界だ。早く20円渡して去ろう。そして今日はもう帰ろう。今日はついて無いだけだ。そう思って財布を開けた。本当についてない。小銭は残り6円。夏実はまだ笑っている。よしっ!ジュースを買えば終わる。よしっ!俺は大人になった。もうそれしかこの場から逃げる方法はない。俺は自動販売機まで行き、千円をくずしてまでジュースを買って渡した。これで借りは返したんだ。もういいだろう。と言わんばかりにサッと逃げた。帰ってからも気が収まらなかった。コンビニまでジュースを買いに行きながら、明日から特等席は諦めよう。どっかの間に入ればいい。なんて考えた。コンビニの近くまで来て俺は焦った。そう!軍団だ。今一番会いたくない夏実軍団。「あー矢内君だぁ~」夏実に気が付かれた。俺は目も合わせずコンビニでジュースを買いコンビニを出た。後ろでは少し酔っているのか顔がほんのり赤い夏実と軍団にいた背の高い男が手を繋いで歩いて行った。ん....?
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