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朋香『地元ですか?』
聞き返すと錦戸さんは片手を前に出した
錦戸『オレの能力は物から過去を読み取る事もできるんだ。だから地元に行けば、何かしら情報が得られると思う』
希望の持てる一言に私達の顔は笑顔に変わっていった
紗英『じゃあ行きましょうか?』
紗英は立ち上がるとスタスタと出口に向かって行った
錦戸『ごめんな。なんか悪い事言っちゃって…』
錦戸さんが両手を合わせて政樹に謝る
政樹『いいですよ。ただ…』
錦戸『ただ…』
政樹は頬を抑えながら言った
政樹『冷やさせてくれますか…』
……………
錦戸さんは無言でキッチンへ向かった
私と美紀は、錦戸さんの後ろ姿をただ眺めていた
……………
政樹の頬の手形は、その後も暫くは消えなかった…
……………
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