天気雨の別称Ⅱ

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 「・・・そんなこと・・・一体何を企んで・・・」  「? どうしたの、詩織ちゃん」  「え、いやなんでもないよ!さ、早く食べよ!」  二人は弁当箱を開けた。  ・・・一方、学食では。  「なんてことぉ・・・秋くんが、秋くんがぁ・・・」  藍は実は持ってきていた弁当箱の付属のお箸を握りわなわなと震えていた。どす黒いオーラも纏っている。  いつもは人を引き寄せる存在のはずである。が、今は万物近付くことを許されない存在と化している。恐ろしいことこの上ない。  「あんなに綺麗だった魂がぁ・・・汚れて・・・いや、汚されてるぅ・・・!?」  汚されて、のところで藍を纏うオーラが攻撃性を持った。他の生徒達は遠巻きに見ていることしか出来ない。  「許さない・・・許さないわぁ・・・!それが誰であろうと八代先、いや未来永劫呪ってやるわぁぁぁぁぁ!!」  ついに箸が中心からパキリと折れ、いよいよオーラが学食全体を覆うほどに膨れ上がった。他の生徒達は隅っこの方でガタガタ震え上がるほかない。  ・・・なお、今日のこの事件は生徒会新聞にて、『暗黒状態藍様の乱』と称された。後に、もう二回ほど起こったという。
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