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さて、午後の授業も無事に終わり、放課後になったところ。
詩織が真っ先に秋勾の元に走ったかと思うと、ごめんっ!と手を合わせたのだった。
「ちょっと今日は用事があって、一緒に帰れないの!・・・それで悪いんだけど、先に私の家に行っててくれないかな・・・。ホントごめん!」
「うん、別にいいよ」
最後まで、ごめんね~、と謝り続ける詩織が見えなくなるまで手を振り続けていた秋勾は、さてと、と帰り支度をし始めた。
そこに振り下ろされるハリセン。秋勾はニュー○イプ並にピキィーン!とそれを見極めたが、体は全く動かず、見ている間にハリセンがヒットした。
「痛い~」
「おんどれ・・・ホンマにシバいたろか・・・」
憎悪に顔を歪ませる彪が、秋勾にハリセンをつんつんつっつきながら半ば本気な声色で言った。
「な、なんでだよー」
「詩織ちゃんと帰ってることはええねん・・・不本意やけどいつものことやし・・・せやけどなぁ・・・ウチ言うた?ウチ先行け言うたやろ?・・・どういうこっちゃ。のう、秋坊」
ハリセンでいびりながら呪詛のように彪が言い寄っていく。秋勾は身に覚えのない怒りに戸惑った。
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