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「どういうこともそういうこともないよ」
「かぁぁぁぁ!!これだからこいつはムカつくんじゃぁぁぁぁぁ!!」
野球の振りのようにハリセンを振りかぶるが、その手の甲を何かの硬物が当たり、ハリセンを落としてしまった。
「ぁ痛っ!?」
「あきらぁ~?」
彪が呼ばれた方に顔を向けると、ニコニコと笑う藍の姿が。しかし、目は笑っていない。
彪はチッと舌打ちし、未だハリセンの衝撃にそなえている秋勾に、もうええて、と軽く突っ込んでから椅子にガタリと座り直した。
「・・・まぁ事情は聞かんでおく!・・・藍が怖いし・・・。・・・で!まぁこれは本人の問題やさかい、干渉せぇへん!これでええか!」
「はぁ・・・」
ええか、と言われても何のことだがわかっていないので、適当に返すしかない秋勾は、彪の嫉妬の視線を浴びながら鞄を持って教室を出ていった。
・・・と思ったら、後ろから誰かに抱き着かれた。誰かと思ったら、頭の上のヘヴンな感触でわかった。
「・・・藍?」
「そぉ、せいかぁい」
藍はそのまま廊下の隅っこに秋勾を連れていった。そして抱き着いたまま耳元で囁く。
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