天気雨の別称Ⅱ

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 「つるぺた・・・じゃない、シオリンちに何しに行くの?」  「え?」  藍の声があまりにも真剣だったので、秋勾は面食らって答えられずにいた。すると、藍が追い撃ちをかけてくる。  「言えないようなこと?」  正にその通りなのでドキリとする。別に言えない訳じゃないが、言って理解出来ることじゃないだろう。  ・・・だから、首を縦に振ることで答えた。  「・・・そうなのぉ!?そ、そんな・・・二人っきりで彼女の家で言えないようなことを・・・」  「え・・・いやそういう意味じゃなくて!」  なよなよと悲しむ藍だったが、秋勾が否定すると、その顔に異常なまでの意思を張り付かせて秋勾を覗き込んだ。  「じゃあどういう意味?」  「え、っと、それは・・・」  藍に見つめられて、違う意味で動悸が止まらない。・・・なんだ、これは。まるで狩られる側の獣みたいな・・・そう、今の藍の目は人のそれではない、秋勾はそう感じた。  「・・・だよねぇー」  藍はやっとその視線を外してくれた。秋勾はやっと生きた心地がした。  「言えないようなことって言ってたんだしぃ。・・・変なこと聞いてごめぇん」
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