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少女の右手は秋勾の額に触れるすんでのところで止まった。その手は薄い何かを挟んでいるようで・・・『それ』を一気に引きはがした。
「っ!?」
「やっぱり・・・あんの馬鹿ども」
少女は『それ』・・・お札をひらひらさせて忌ま忌ましそうにそう言った。・・・そう、あれは秋勾の真実視を封印していた『現』を隠していたあれ。
そこで秋勾の目に、ありのままの真実が視えるようになる。・・・そして視えた。それが視えた。
少女の頭には黄色の、先端の黒い耳が二つ生えていた。同様に、筆のような起伏の柔らかそうな尻尾が、しゃなりしゃなりと揺れていた。色合いは同じ。
・・・まぁ、秋勾はそんなものは見慣れていたので、どうでもいいっちゃいいのだが、巫女装束とあいまって、一部の人にウケそうだなぁ、とだけ思っていた。
一部の人にウケそう、といえば詩織だってそうなのだが(黒のネコミミ、猫尻尾+制服or巫女装束)、まぁそこまで秋勾は頭がまわらなかった。まぁどうでもいいしね!
・・・話を戻すと、少女はひらひらさせていたお札を指でピッと弾いた。その瞬間、お札は空中で燃え上がり、消し炭と化した。
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