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「わぁ~」
「・・・ちッ」
秋勾がマジック(ではないのだが)に驚いていると、少女が何が不服か舌打ちをした。秋勾はびくっとして身を縮こまらせたが、あんたじゃないわよ、と少女がフォローした。
「あいつら、あんたがなんなのかもわからないで勝手にこんな乱暴なやり方で汚したりなんかして・・・シミ付いたらどうするつもりだったのよ、馬鹿」
秋勾はどういう意味かもわからず、自分が言われているかの如く頭を下げていた。・・・で、鈍い秋勾にでもわかったようだ。
「詩織ちゃんたちのことを知ってるの?」
「しおり?・・・ああ、あの霊力の扱いが上手い人間か」
どうやら少女は少なくとも詩織のことを知っているようだった。・・・っていうか。
「・・・人間って、」
「うるさいわね。余計なこと口出ししないで」
「ご、ごめんなさい」
二人の上下関係は既に決まったようである。秋勾は少女の威圧感に圧倒され、しかも元々気の強い方ではないので、結局下の位になってしまう。いとかなし。
「で、でも、君、誰?」
秋勾は機嫌を損ねないように恐る恐る聞いた。・・・機嫌取りの必要はないのだが。
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