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「助かりたいのなら私と結婚しなさい」
「またそれか・・・」
「なんですって!?・・・ふん、じゃあ助けなくていいのね、さようなら」
「ちょ、ちょっと待って!」
鬼の一撃をしゃがんで避けながら必死に呼び止める。この状況を打破出来るのはもうこの狐少女だけなのだ。
「・・・じゃあ何?」
「えっと・・・いいです!その条件で」
すると少女は何が不満か、ぶすっとした表情になった。
「・・・その条件って何よその条件って。どの条件よ。誰が、誰と、どうするって、ちゃんと明確に言いなさい」
流石の秋勾もぷちっと・・・切れかけて済んだが、なんとまぁお姫様なやつである。まぁプロポーズだしね!
秋勾は渋ったが、後ろの鬼のドスドスと荒い足音を聞き、なんとか怒りを収め、少女に改めて告げた。よく堪えた、秋勾。
「・・・君に応える。僕と結婚しよう」
「して『下さい』」
「・・・してくださいっ!!」
最後は半ば怒鳴るように言ったが、少女は(無理矢理でも)へりくだる様が満足だったようで、妖しい笑みを浮かべたあと、木から飛び降りた。
それを見て秋勾は絶句した。だって飛び降り。
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