天気雨の別称Ⅱ

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 木の上、と称していたが、その高さは言うより尋常じゃない高さ。ビルの5階相当ぐらいで、そんな木々の古い山中だったりする。  そこの木から飛び降りたとなると、普通の人間では怪我でいい方なんじゃないかああこれこの人死亡フラグか塚なんのために出て来たんだこの人わああ結婚関係ねーじゃんてかそういえばなんで結婚したかったんだろ?  ・・・なんて最後は結局ユルノリに戻りながら少女の落下を見続けていた。地面からもう5メートル無いし・・・うわあグロテスク来たー!と秋勾が目を覆った瞬間。  少女の落下速度が落ち、フワリと空中で一旦停止してから、音もなく自然と足を着いた。怪我なし。死亡フラグなんてもってのほか。  秋勾がちらちらと指の間から覗き見るのを気にせず、少女はゆっくりと、しかし威圧的に鬼を見据えた。  「・・・さて、これでこの人間は私の関係者となった。夫に手出しはさせないわよ」  「・・・クク、ワザワザ面倒ゴトニシオッテ。素直ニ言エバヨカロウモノヲ」  「う、うるさいわね!八つ裂きにされたくなかったらさっさと失せなさい!」  「フン、ソノ言葉、ソックリソノママ返シテヤルワ」
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