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「・・・ナメてんの?何がとりあえず信じるの?真実よ、知覚しなさい、理解しなさい、受け止めなさい」
「いや・・・いや、でも!」
秋勾はその理不尽なことばかりの昏に対して、多少の抵抗を試みた。訳もわからないのにそれを全部はいわかりましたと受け入れることなど出来ない。・・・第一、結婚だってその場の勢いに等しい。まだ何もわかっていないのだ。
「その・・・だって!訳わかんないうちにそんなこと言われても・・・信じられない・・・かな、なんて・・・」
語尾が弱くなっていくのは、昏の眉傾斜がだんだんキツくなっていったからである。結局、秋勾は彼女に頭が上がらないのだった。
昏は小さく溜め息をつくと、面倒臭そうに秋勾を見つめて、少しだけ語彙を弱めて言った。
「・・・つまり、現状把握と理解の受け入れのためには、それ相応のもんを見せてくれないと無理だと?」
「う、うん」
っていうか当たり前である。
「・・・わかったわよ、わかった。全部・・・は無理だけど、ある程度教えるわ。もう夫婦の契りは結んだ訳だしね」
依然面倒臭そうに手をひらひらさせながらも、昏は情報提供を承諾した。
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