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終点の駅に着き、熟睡している彼女を起こそうとした。寝ぼけているのか彼女は、すり寄るように抱きついてきた。彼も健全な男子だし、嬉しく思わなかった訳では無いが、恥ずかしさの方が強く、慌てて彼女を起こした。
やっと彼女が起き、ほっとして電車を降りようとした時だった。状況を確認した彼女がさっと顔色をかえ、彼に詰め寄ってきた。
「ねぇ、なんで起こしてくれなかったの!?随分前からこうなってたんでしょ!?」
こんな事態は当然予想していなかった彼は、突然の事とあまりの剣幕に面食らって、何も言えなかった。
すると彼女は怒りの表情に侮蔑の色を混ぜて、足早に歩いて行ってしまった。
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