某廃旅館

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「コレが髪の毛」 「コレが口でコレが鼻、コレが目ね。」 説明してもらった途端鳥肌が立った…ただのモヤモヤにしか見えなかったそれが、髪の長い、振り向いてカメラを睨みつける女の人の顔にしか見えなかったからだ。 「あと…この石垣を見てよ…これ、全部顔だよ。」 確かに石垣はよく見ると、旅館の石垣全てが目と口、鼻がしっかりとある顔なのだ。 [気持ち悪い…] そぅ思っていた時に彼女は 「これはキチンとお祓いしてもらった方が良いよ」 「わかった。伝えとくわ…」 次の日、女の子達にそれを説明すると女の子達は騒ぎ出し、1人の女の子は泣きだした。 「この手…」 「実はマネキンの手なの…」 どぅやら男2人がマネキンの手を使って俺達を驚かしたかったらしぃのだが、別のものが写っていた事に動揺したらしぃ… 後日、ちゃんとお祓いをしてもらい、その後何かあったという事もなかったが… あの女の人は何故あんなに睨みつけていたのだろぅか… あの目だけは未だに忘れられない…
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