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しかし帰ろうという思いはすぐに掻き消された。
あれっ……!?
頭に感じた冷たい雫。
突然の雨だった。
雨なんて天気予報でも言って無かったのにな。
仕方が無い。
まぁ暫く飲んでれば止むかな。
私は躊躇っていた一歩を踏み出し扉を開けた。
お店の中は客が一人居るだけで今日はがらんとしている。
「いらっしゃ~い。あれ~?君は……あの時の。」
迎えてくれたのは彼では無くマスターだった。
「ははっ。また暴れに来ちゃいました。」
彼と約束したから会いに来ましたなんて言える訳が無い。
「どうぞどうぞ。まぁ好きなとこに座って。」
私はゆっくりカウンターに座った。
お店を見回す……
が彼の姿は無い。
今日は休みかなぁ……
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