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「なぁ、早苗?」
聞き慣れた私を呼ぶ声。
「ん~?どうしたの?」
「式場なんだけどさ、ここなんかどうかな?」
此方を見て優しく微笑む男性。
「そこでいいんじゃないかな。私は晃(あきら)が決めてくれた所で良いからさ。」
「はははっ。いつもお前はそうだよな。俺は早苗の意見が聞きたいのに。」
「だってさ~。晃の方がそういうの好きじゃない。」
「それでもきちんと二人で決めたいんだよ。結婚式なんて一生に一度きりなんだからさ。」
「解った。ちゃんと見るから。」
――三年前………
その時、私は確かに幸せの絶頂にいた。
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