さようならの向こう側で

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――― ――――4年後 「ママ、行ってらっしゃい!!」 「はいっ。純も友梨も、おじいちゃんとおばあちゃんの言う事をよく聞いて賢く待っててね。行ってきます。」 「は~い。」 「は~い。」 あれから…… 4年の月日が過ぎた。 私は、今実家で二人の子供と両親と暮らしている。 子供はドイツへの転勤中に出産した。 そう…… 私は健の子供を妊娠し、生む事を決意した。 迷いは無かった。 まさか双子で生まれて来るとは予想外だったけど。 両親の助けもあり転勤は少し延長になったが仕事は辞めずに済んだ。 今は毎日楽しい日々を送っている。 心にポッカリと空いた穴は塞がらないままだけれど、自分が選んだ道だから。 仕事では課長に昇進しもう私も33歳になった。 でもね?やっぱり毎日思い出すんだ。 あの日の空港での健の姿を。 もう逢える事は無いんだけれど……… 頭の中で追い掛けてる。 貴方の声を、姿を……
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