長い時間。

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 その部屋は灰色の壁が支配する部屋、真ん中に男が立っている。その男は上下真っ黒のスーツをし、髪を七三に分けた若い青年だ。 「太郎さんですね? それでは説明させていただきます。まずご存じの通り、この国にある法律が出来ました」  この国は狂い始めた。 「まあ簡単に言えば家族を理不尽に殺された人は敵討ちが出来るという法律です。なぜこの法律が出来たのかは聞かないでくださいね、って言うか私も知りません。ですがあるのも事実です。ただ、これを受けますと……子供は免除ですが、今ある財産、地位を没収になりますが……どうします?」  言うまでもない。 「分かりました。方法は簡単、バットで殴るなり、ナイフで刺すなり、毒を盛ってジワジワと……とにかく何でもいいんです。ま、取りあえず犯人が死ぬまでやり続けてください」  ああ、分かってるよ。 「それでは隣りの部屋へ、犯人はあなたを待ってますよ。あ、武器は中にありますし、犯人はイスに縛り付けてるので心配ないですよ!」  分かった。  私は隣りへ向かう。
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