46人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
空の青
昼下がりの縁側に二人……
一人は新聞をまじまじと眺めていた。
「なるほど、現在は【平成】という年号なのですね。」
幸は新聞に目を通しながら言った。
「……」
ど、
どうしよう。
幸がおかしくなっちゃった!!?
確か、以前もこう言うことがあった。なにか、幸は霊媒体質らしく、よく霊をしょい込んでいた。もっとも由紀には見えない世界なので、半信半疑ではあるが…。
由紀は、幸が敬語を使う姿を一度も見たことがない。しかし、今、目の前の彼はまるで別人だ。とても落ち着いた物腰で、淡々と話している。
「あ、ぁぁあなた、だ、誰?」
恐る恐る尋ねてみた。
「私ですか?私は、雷撃第9番部隊一飛曹、藤田幸太朗と申します。」
(え?)
冗談でしょ?
幸太朗…って確か…
幸のおじいちゃんじゃん!!!
由紀は頭が真っ白になった。もしかしたら…
いや、絶対…
なにかが憑いている!!!
最初のコメントを投稿しよう!