空の青

1/2
46人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ

空の青

昼下がりの縁側に二人…… 一人は新聞をまじまじと眺めていた。 「なるほど、現在は【平成】という年号なのですね。」 幸は新聞に目を通しながら言った。 「……」 ど、 どうしよう。 幸がおかしくなっちゃった!!? 確か、以前もこう言うことがあった。なにか、幸は霊媒体質らしく、よく霊をしょい込んでいた。もっとも由紀には見えない世界なので、半信半疑ではあるが…。 由紀は、幸が敬語を使う姿を一度も見たことがない。しかし、今、目の前の彼はまるで別人だ。とても落ち着いた物腰で、淡々と話している。 「あ、ぁぁあなた、だ、誰?」 恐る恐る尋ねてみた。 「私ですか?私は、雷撃第9番部隊一飛曹、藤田幸太朗と申します。」 (え?) 冗談でしょ? 幸太朗…って確か… 幸のおじいちゃんじゃん!!! 由紀は頭が真っ白になった。もしかしたら…   いや、絶対…   なにかが憑いている!!!
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!